
品質管理の取り組み
■品質とは何かを考える
一言で品質が良い悪いとよく言いますが、それは一体どんな基準で良否を判断すればいいでしょうか。
一般的に品質というと「使いやすさ」「耐久性」「外観デザイン」等が思い浮かびますが、
これらはあくまでも最終ユーザが実際に使用した際の視点であり、私たち受託製造業者が
発注元に対して品質を保証する際の考え方とは少し異なる視点となります。
上記したユーザ視点の品質は製品設計時点で設計者が担保する範囲であり、
製造側が積極的に介入すべき領域ではありません。(共同開発など例外はあります)
では、私たち製造側が意識すべき所謂「品質」とは何か。それは
「いかに図面通りであるか」ということであると考えます。
当然、図面には使用時の品質を考慮した寸法や注記などが盛り込まれており
その図面に忠実な製品ができれば自ずと「いいモノ」ができるはずです。
そういった事から製造側には図面への忠実性が求められるわけです。
そこで重要になるのが図面の適切なファイリングと寸法測定の精度・簡便性です。
この二点について弊社での取り組みを以下ご説明します
■図面管理システム「ズメーン」の導入
上記したように図面に忠実なモノづくりの実現には従業員の誰もが
簡単に素早く図面を確認できる環境が必要になります。
旧来の紙ベースの管理からPCでの管理を自社でできていても、
それを実際に現場の人たち誰もが使いこなすようにするのは
意外にハードルが高いように思います。
また、図面には工程表や不具合発生の履歴等の付随する資料が付き物です。
これらを含めると図面管理は一層複雑になり、管理だけに人員を割けない
町工場にとって悩みのタネとなるわけです。
弊社では専門業者が開発した図面管理システムを導入しております。
複雑な操作が不要で社内であれば誰でもPCやタブレットから図面を
確認できる仕様なっており常に寸法や注意点等を意識したモノづくりを可能にします。
また、関連資料の紐づけもファイルを追加するだけで完了するのでその後の生産に役立ちます。
■画像寸法測定器の導入
図面に忠実な製品とは即ち各部の寸法が公差内に入っているという事。
これを実現するには製品寸法を正確に素早く測定する事が求められます。
従来の寸法測定は投影機でXY軸を手動で合わせて一つずつしか測定できなかった為
非常に時間と手間が掛かる工程でした。
弊社が導入している測定器は製品をステージに置いてボタンを押すだけで複数個同時に測定できる
キーエンス社製画像寸法測定器「IM-8000」です。
こちらを導入する事で測定作業の効率化、人毎による検査結果のムラの解消等様々なメリットがあります。
しかし、何よりの恩恵は測定作業が簡単になる事で現場作業員にとって
測定に対する心理的ハードルが下がり測定作業が癖づく事。
このことによって自然と図面を確認する癖もつき、図面管理システムとの相乗効果も得られます。