突き出しによる変形対策

こんにちは!皆様いかがお過ごしでしょうか。

お久しぶりになってしまいました。

今年初の更新という事で、遅くなりましたが、

明けましておめでとうございます。

ここ数日は寒波襲来という事で関東地方でも

かなりの冷え込みでしたね。

弊社はお陰様で年初から忙しくさせていただいております。

しかし、稼働にはまだまだ余裕はあります。

お仕事のご依頼、ご相談等ございましたらお気軽に

お問い合わせください。

さて、今回も短めにTipsということで少し書いていきます。

TPU/軟質樹脂の成形における注意点

当ブログで何度も書いてきましたが、弊社で主に

扱っている樹脂はTPU(熱可塑性ポリウレタン)で、

取扱製品中9割程度がこの種類になります。

この材料を使用していく中で、難点となるのが変形です。

質感としてはゴムのように弾力性があるので

成形後に製品を箱などに自然の状態で入れてしまうと

ものによってはそれだけでも変形してしまうので

ステンレスバットに重ならないようにきれいに並べたり

と、意外に手間がかかるものです。

変形の原因としてのもう一つはエジャクタピンに押される

事による変形です。

樹脂製品は成形後金型から抜くためにエジェクタピンで製品

自体を押し出して脱型するので、世の中にある多くの

プラスチック製品にはどこかに丸い跡のようなものが見つかる

かと思います。

ところが、TPUについては基本的には柔らかいものなので、

押し出し時にピンによって製品が潰されてしまうんですね。

この変形を避けるためにしっかりと固化を待ってから取り出す

必要があるため、どうしてもサイクルが長くなる傾向にあります。

では、いたずらに冷却時間を延ばすしか手はないのかというと、

手段はないことはないわけです。

どんな方法かという、といたってシンプル

「素早く突き出す!」

です。

え、逆じゃない?と思われる方もいるかもしれません。

以前、私も突き出しによる変形が気になる製品においてはゆっくり

優しく突き出していましたが、サイクルを削りたい時に試しに

極端に早く突き出してみたらあら不思議。ゆっくり突き出していた時

よりも凹みが軽減されていたのです。

よくよく考えると「そうか」という感じなのですが、早く突き出した

方が押されている時間が短くなるので製品に掛かる負荷も減少し、

結果として凹みづらいのかと推測しました。

また、どれくらいの勢いで突き出せばいいかというと、動画を

撮りましたのでご覧ください。

TPU射出成形における突き出し凹み対策

いかがでしょうか。製品が暴れるほど勢いよく突き出しています。

軟質樹脂特有のかなり変わった手法かと思います。

他にも軟質樹脂ならではのアイデアで成形しているものもあるので

後々ご紹介していきたいと思います。

それではこのあたりで。

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