射出成形において特に気を付けるべき点

こんにちは。皆様いかがお過ごしでしょうか。

ややお久しぶりの投稿となります。

弊社の状況としましては、一時期の忙しさは過ぎましたが、

低調というわけではなく、それなりのボリュームの受注を

いただいており、平常運転といったところでしょうか。

世の中の情勢も未だ混沌としている故、なかなか先の見通せない

所もありますが、やるべきことをコツコツと進めるのみです。

季節も移り、寒くなってきております。体調管理には気を付けたいものです。

さて、今回はタイトルの通り成形作業において特に気を付けるべき点

について書いていきたいと思います。

金型の保護

まず、成形に携われている方でしたら重々承知かと思いますが、

射出成形にて用いられるいわゆる「プラスチック金型」は種々の

高精度に加工された金属パーツを組み合わせた非常に精密で、

部分によっては繊細な金型です。

各技術者によって設計、加工、組み立てと進められ、

各工程に様々な知識、技術が詰め込まれており、まさにモノづくり

の神髄を感じられます。

当然ながら費用も安いものではなく、製作期間も最低一か月程度は

掛かるものがほとんどです。

「プラスチック金型」はこうした高価で貴重なものな上、もし金型

を破損してしまった場合の修正も一筋縄ではいきません。

ここでも安くないコストが掛るのはもちろんの事、破損状況によっては

修正不可という最悪な事態も考えられます。

その場合は、新規で作り直さなければならず、コスト、時間共に多大な

損失となります。

考えるだけでもゾッとしますが、そういった事態は絶対に避けなければ

ならない為、射出成形作業において「金型の破損をいかにして防ぐか」

ということはまず第一に考えなくてはなりません。

金型破損原因

金型保護の重要性について上記しましたが、では、

金型が破損する原因は何が考えられるでしょうか。

まず、考えられるのは製品の型内残りでしょう。

金型の離型不良、またはゲートやエジェクタピン等の

設計不良により、製品が金型からうまく取れない場合があり

その製品が金型内に残った状態で型締めがされてしまうと

ピンの折損や金型表面の変形が起こり、結果その部分が

バリとなって製品に出てきてしまいます。

また、金型の老朽化によるバリ発生も考えられます。

射出成形では数十トン、数百トンもの圧力を金型に加えて

成形していて、それが数万ショット、数十万ショットと

続くわけですから、さすがに金型の鋼材自体に歪みが発生

してくるのはもちろん、射出成形品には、例え新しい金型

であったとしても必ずパーティングラインが存在し、その

ラインがショット数を重ねる毎に肥大化してくる事もあります。

その場合はそれが金型の寿命(耐用ショット)と考えるべき

ですが、いかにこの寿命を延ばすかというところも頭に置いておく

べき点でしょう。

その他、単純に金型製品面にモノをぶつける等人為的なミス

や、予期せぬ破損もあるかと思いますが、いずれにしても

金型表面はデリケートに扱う事を心掛けましょう。

金型破損対策

では、そんな金型の破損を防ぐにはどのような対策があるでしょうか。

基本的には成形機についている金型保護機能をしっかりと設定する事です。

この金型保護機能には主に

  • 型閉時間設定
  • 低圧型締設定
  • 金型負荷検出設定

これらの項目を設定して金型を守ります。

簡単に説明しますと、


型閉時間設定

金型全開状態から全閉状態までの時間を監視し、型閉時に設定した

時間以上の時間が掛かったら即停止するという機能です。秒数を短

くすればするほどシビアに監視できますが、ちょっとした誤差で停

まる事もある為、いい塩梅を見つけましょう。


低圧型締設定

上記が時間を制限するのに対して、こちらは圧力を制限します。

金型全閉付近で何かの障害物があり、設定値以上の圧力が掛かった

場合は即停止されます。こちらも設定圧力を下げれば下げるほど

シビアに監視できますが、低すぎると型締め自体ができなくなるので

いい設定値を探りましょう。


金型負荷検出設定

こちらも基本的には低圧型締設定と同じで、型締時の圧力を監視

します。

違いとしては低圧型締設定は金型タッチ付近を監視するのに対して

負荷検出設定は型閉工程全体で圧力を監視します。

3プレート金型等の全閉時付近以外にも触れあう部分がある金型に対して

特に有効といえるでしょう。


以上、成形機メーカーも金型保護の重要性を理解し、様々な設定で

金型を守る手段を与えてくれています。

しかし、一番困るのはこれらを設定しても金型内残りを検出できない

場合があることです。

基本的に各種保護機能は、時間や圧力に変化があった場合には停止

してくれますが、例えば離型状況が悪く、キャビティ内にピタッと

きれいに残ってしまうと、型閉工程でわずかな負荷も掛からない為に

監視をすり抜けて型閉じを完了させてしまいます。所謂「二度押し」

という一番気を付けなければならない現象で、この状態で射出をして

しまうと金型は相当なダメージを負います。それがそのまま即破損

といかない場合もありますが、これを繰り返すと必ずバリが発生

してしまいます。特に初めて成形する新規金型等は離型バランスが

分からない為、型内残りが発生する可能性が高く注意が必要です。

新規のトライ成形時には1ショットずつ自らの目で確認して手動で

成形するのが無難でしょう。

このトライ時に固定側、可動側の離型状況を確認しておき、次回成形

時までに離型処理を施しておく事も金型保護として役立つでしょう。

それでも金型によっては連続成形中に「ピタッと残り」が発生してしまう

場合もあります。これを防ぐ最終手段として金型監視用カメラの設置を

検討します。各メーカーから販売されていますが、型内に製品が

ない状態を記憶させ、ショット毎にあるなし判定をして、異物を検出

すると異常と判断し停止してくれるようです。

金型内を毎ショット目で確認しているのと変わらないので、型内残りは

ほぼゼロにできるので強い味方になる事は間違いないですが、こちらも

決して安い機器ではありません。弊社でも導入を一時検討しましたが、

費用対効果を考え、断念しました。今後本当に困った際には導入する

事もあるかもしれません。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は成形時における特に気を付けるべき点と題して

主に金型保護の重要性について書かせていただきました。

繰り返しになりますが、金型の製作、修正には多くのコスト

時間を要します。一度金型を破損してしまうと、自社は

もちろん、客先に製品の供給ができなくなる事もあるため

双方の機会損失は非常に大きなものとなり、最終的には

信用問題にもなりかねません。

こうした事避けるためにも金型は丁寧に扱い、特に製品の

型内残りには注意しましょう!

それでは、今日はこのあたりで!

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